一人称の憂鬱→消失
今回のタイトルでもじらせてもらった
キョン大好き娘が使う「あたし」
超野菜人の「オラ」
角刈り眉毛繋がり警官の「わし」
泥棒団のチート剣士が使う「拙者」
等々日本語の一人称はたんとあります。
そして現実世界で男が使うのは
「僕」「俺」が圧倒的に多い
年寄りに「わし」はたまにいます(うちの爺)
ほとんどの人が特に意識もせず使っているのではないでしょうか。
しかし、私は人より遥かにこの一人称というものに向き合ってきたのです。
その結果およそ10年間家族の前で一人称を使っていません。
なぜこんなことになったのか。
時は4歳まで遡ります。
物心ついた頃、既に私は僕でした。
その後幼稚園に入ると
皆が「俺」を使うので
友達の前では「俺」、家では「僕」を
使い分ける事になりました。
幼少期からオンとオフがはっきりしてるなんて優秀( ・`д・´)キリッ
ではなく、親の前で「俺」に変わるのが恥ずかしかっただけ。
この頃になると色々と不都合が出てくる。
親に二重一人称制がバレるのだ。
友達を家に呼んだり、授業参観なんかでバレル。
すると家で自分が「僕」であることが恥ずかしくなり、かといって今さら「俺」変えることも恥ずかしい。
まさに一人称の憂鬱でさぁ。
そこで八歳の私はある作戦を考えたのだっ。
スバリ、「いつのまにか俺作戦」。
悟られないように徐々に会話から「僕」の頻度を減らしていく、そしてある時期一人称を使う機会をゼロにした後に「俺」をゆっくり使い初め、あれ?気づいたら「俺」じゃんというとってもとっても巧妙な作戦だっ。
見積り一年間の大計画。
しかし私の予想は甘すぎたのです。。
一人称をゼロにしたものの
「俺」を少しずつ使うのが厳しい。
ちょっとでも「おレ」と言おうものなら
親の
(こいつ『俺』を使おうとしてやがるでぇ)
てな感じの目が光る気がして
「おレ、ORANGE RANGEっていいよねぇ」
などど無理やり誤魔化してしまうのでした。
この状態が一年、二年と続き小学校卒業
中学卒業、
気づけば高校を卒業し今に至る
というわけなんです。
一人称の消失だすわこれ。
よって今現在私は家で何者でもないのです。
「僕」でも「俺」でもない
常に会話に一人称が無いため、自分の話をすると時たま
「誰が?」と主語の確認をされるんですが
これが非常に恐ろしい。
次の作戦は
「家を出て独り暮らしをして
しばらくぶりに帰ってきたら『俺』になっていた」作戦。
さぁどうなるでしょうかっ
10年後に期待しよう!
ジョン・スミスが過去の俺をどうにかしてくれないものか…