首輪物語
普段はできるだけ気をつけているのですが、たまに、ついうっかり人の目を意識してしまって途端何もできなる、なんてことがあります。何も。ただただ寝っ転がって空間を見つめるだけ。
人の視線そのものが怖い訳ではないと思います。
空想の中で作り上げた他人の思考や評価に自分を合わせようとしてしまう事が怖いのです。
誰かに合わせようとして自分を失う事への拒否反応。
ひたすら純粋だった子供の頃、真面目で大人の言うことをよく聞いていい成績を取ることが何よりも大切なんだ、と思っていました。なのでいつでも良い子であろうとしました。全ての基準が大人。もしくは常識とか社会規範みたいなふわふわした大人的な何か。
だから周りに友達だけの時と大人がいる時の人格？性格？がちょっと違うんです。大人がいると良い子を演じてしまう。それでそのギャップに混乱します。それにだんだん優等生な意識が侵食して来て、誰も見ていないのにいつの間にか自分に首輪をつけ始めました。
最初は良いことだと思って頑張って優等生していたのに、気づけば役に飲み込まれて抜け出せなくなっていた。そんな自己矛盾への気持ち悪さで友達の前でも一人でいても苦しくなってくるんです。そしてだんだん消極的に。最初は遠くの世界が見えていてもリードの範囲しか動けないので諦めて狭い小屋の中でじっとしているようになります。
結果真綿で首を絞められるようにゆっくり息ができなくなって遂には窒息。
首輪をひきちぎるまでハム太郎の寿命以上はかかりました。
それでも未だに首輪を超速再生してしまいそうになるんです。そんなときに拒否反応が出ます。
もう二度と出木杉なんかに囚われたくない、俺だって劇場版で男前なジャイアンを拝みたい。
そんなこんなでタートルネックは着ません。特に黒は。
地震雷火事女児
我が家では昔、躾?として、何かしら悪いこと(兄妹をぶったとか物を壊したとかゲームを止めないとか)をすると散々叱られた後それでも反省しない場合は、反省するまで二階のベランダに締め出される、という事がありました。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ虐待って言われるかもしれませんね。
わたくしなんかは最初の2、3回は号泣し全力で抗議したもんですが内側からしか鍵が弄れないのでどうすることもできないと諦めて、親が許してくれるまで寝てたりしました。これが置かれた場所で咲きなさいの精神です。そうしてると大抵30分くらいで入れてくれるので別段辛い事でもありませんでした。
(こんな感じのドアです、分厚い三枚重ねのガラスです。)
ですが妹は違いました。たぶん彼女が5歳くらいの時です。いつものように怒られて外に出されました。大号泣。黙って言うことを聞くタイプではないのでガラスをバンバン叩き始めるんです。彼女なりの必死の抗議。そんなことしたら余計に入れてくれないのに馬鹿だなぁ、と思っておりました。
親も特に気にしませんでした。自分が怪我するよ、くらいは言っていたと思いますが。
叩くのは疲れたのか蹴ったりしていましたが親もあえて無視、という感じでした。
その時です。ベランダからバーン！という大きな音。見るとあの分厚かったガラスが大きくひび割れているではありませんか！(ビフォーアフター風)。
妹が蹴って割っていました、三枚重ねのガラスすべてを、足で。
しかも驚くことに彼女は無傷。粉々にならないよう加工はされているとはいえあんなにガラスが割れ大きな破片が落ちていたというのに。
堂々と割れたガラスの向こうに立つ彼女は未来から来たサイボーグ然としていたとか。
結局、修理というか取り替えになり痛い出費、工事の人が来る度に訳を聞かれ驚かれ赤っ恥、近所の人にも何かあったの？と聞かれ赤っ恥、と散々な目にあった親は以降我々をベランダに締め出す事はなくなりましたとさ。
(誰かさんも妹に喧嘩を挑むことはなくなりましたとさ)
親切なんかじゃないっつってんだろ
電車で何度か年寄りに席を譲った事がある。
でも別にこれは親切芯なんかじゃない。
年寄りに席を譲る、という親切の代名詞みたいな行為で見も知らぬ車両内の他人からの評価を上げたかっただけ。年寄りを立たせて自分が座っているという状況に、現代の日本社会で作られた常識で凝り固まった自意識が耐えられなかっただけ。親切じゃない、こっちの都合。
ペットボトル飲料を買わないのはエコなんかの為じゃない。単純に金を使いたくないだけ。ケチなだけ。自然なんか決して憂いていない。憂いていたとしてそれは海水浴だったり釣りだったりっていう自分の娯楽が妨げられるのが嫌なだけ。
落とし物を交番に届けたのは持ち主の為でもなく日本の落とし物神話のためでもない。落とし主からお礼の連絡があってそこから…というdramaticな発展を期待しただけ。
落ちてる缶をわざわざ拾って捨てたのは街を綺麗になんて高尚な理由ではない、街なんてうんこさえ踏まなきゃどうだっていい。単に自分が缶を踏んで転ぶのが怖かっただけ。トラックに踏み潰された缶が風に飛ばされて刃となって向かってくるのが怖かっただけ。
募金したのは善意からじゃない。言葉も通じやしない盲導犬になんか興味はない。遠い国の存在するかもわからない子供なんてどうでもいい。小銭が重いしジャリジャリうるさいで鬱陶しかっただけ。他人からありがとうございますって言われて悦に浸ってみたかっただけ。
全部良いことした、自分はまともな人間だって思い込みたかっただけ。自分の為。全部自分に向いてる行為、自己中心的な行為。誰かの為なんて気持ちはこれっぽっちもない。誰かに何かしてあげようだなんて素晴らしく高尚で美しく正義感に満ち溢れ気高く清廉潔白な気持ちは一切ない。
ちょっと傷ついた忘れられない１言
小学６年の時何気なく喋っていた女子に言われた１言
悪気が一切なさそうに純粋に思った事を言っただけの、ただの事実って感じだったのでなんだか忘れられない。そういう含みが全く無い方がなんだか鋭利で深く抉って来たりするよねー！
うんこのうんこによるうんこの為の生活。
最近、うんこの為に生きている気がしてきています。
腸に詰まったうんこが一気にすっぽり出ていくあの快感を味わう為に、そしてその後美しきバナナうんちを眺め、さっきまでこんなブツが体内に入っていたのか、と感慨に耽り全て出し切ったことへの達成感に浸る為に。
排泄の意味を調べると
《名・ス他》動物が栄養をとったあとの不要のもの（大小便など）を体外に出すこと。
なんて書いてあってまるで仕方無しに対処的にやってる行為みたいじゃないですかっ。そんなはずっ。排泄はもっと権威ある行為ですよ。食って働いてうんこする、それが人間の営み。
全てはうんこの為に。うんこはうんこの為に。
１日三食バランス良く正しく食べたり朝納豆食べるのは一見生活リズムを整えたり腸内環境を整え体調維持したりする事が目的に思えるけども実はもっと先、いや遥か下を見ていて、全てはGODZILLAでキングなうんこをする為。
毎朝5時に起きたりしっかり8時間睡眠したりするのは時差があるイタリアサッカー見たり脳の働きを最大限に発揮できるようにする為ではなく艶のある松崎なうんこをする為。
筋トレや有酸素運動したり肩まで風呂に浸かってその後ストレッチしたりするのも、マッチョになりたいとか血流よくして肌を綺麗にとか痩せたいとかではなく太くて途切れないマッチョなうんこをする為。
本読んだりアニメ見たりサッカー見たりするのは好きな事をして楽しんでストレスをできるだけ緩和する事で体の炎症を最低限に抑え活きの良い新鮮なピチピチうんこをする為。
こうなってくると自分の行い全てがうんこを目的とし結果うんこで完結していて、もはやただうんこのクオリティに誇りを持ち人生を賭けているうんこ製作所、つまりうんこ。
人間なんて皆腹にうんこ隠し持ってんだからうんこですよ。
あぁ、今日もうんこの話をしてしまった。。。
ちょっとラッパさせて
モラルを胎内に落としてきたやつと一緒に食事をしたときにまま発生する「ちょっと頂戴」がヤバい、という事は人口に膾炙していますわね。(これ今日知ったんで使いたかった)
これに関してイラッとするかどうかはメニュー次第でありますよ。5個しかない唐揚げだったら右腕もがれる気分にでもなりましょうが麻婆豆腐だったら1掬いくらいかましまへん。
でもね、飲み物のちょっと頂戴はムリ、衛生的に気持ち悪い。
回し飲みって奴ですか。もうホントに嫌い、生暖かくて何故か、何故か臭う子供用プールより嫌い。
我が家では回し飲み的なことって基本なかったんで耐性がついてなかった。
だから初めて「ちょっと頂戴」をされて反射的に了承してしまったんです。
ケチケチしてんなと思われんのも嫌でしたし。
それが運の尽き。
愛用のポケモンパンシールで装飾した自慢の水筒に思いっきり口つけて2倍に薄めた我が家秘伝の麦茶をイカれました。
滝のみだろ！なんでラッパ飲みしてんだよ！
やるなら「ちょっとラッパさせて」ってちゃんと言えよ！絶対断るから！
しかもこういうモラルの欠けたカンチョーを全力でする奴らってちょっとでは済まないんですねすげえ飲む。加減を知らない、だから人の尾てい骨にヒビ入れたりするんです。
たぶん何度かこういう目にあって、優しさを隠れ蓑にした嫌われたくない、は糞の役にも立たないと理解できたのはラッキーでした。
ケチ呼ばわりされるぐらい、自慢の水筒が犯されるのに比べたら余裕です。
まぁコロナのおかげで「ちょっと頂戴」自体がしばらくは消えるのでもう困る事はありませんが。
ただこの時期に「ちょっと頂戴」をやってくる奴がいたら本当にヤバい奴に違いないのでギャラクティカマグナムを放つか全力で距離を取りましょう。
とりあえず人のモン飲みまくった事で麦茶の味で誰の水筒か判別ができた髙橋君、お前は死ぬまで「どこからでも切れる」が上手く切れなくて無駄に手が汚れる呪いにかかれ。
トイレの死神様
哺乳類にとって排便時は睡眠や食事と並んで無防備なので絶対に敵に知られてはならない筈である。なのに人間はトイレを作った。皆そこでは無防備になることが確定している。(一部食事や喫煙、リンチまたは商取引をする人もいる)
こんなことではトイレに入る＝襲ってくれと同義ではないか。奇襲し放題ではないか。これが平和ボケか。いつから他の人間が味方だと錯覚していた。
そんな人間をあざけるように発生した最も罰せられるべきイタズラが少便器で用を足している最中の人間の肩を抱きウェ～イ！するヤツ。平和に慣れ親しんだ豚を襲うとは小学生男子なんと卑劣で狡猾なり。
このイタズラは防止策を講じ辛い。
個室を利用すれば防ぐ事が可能なのだが個室に入ることもまたリスクなのだ。個室に入る＝うんこであり、何故か小学生にとってそれは末代までの恥。バレればその日うんこと呼ばれなければならない。個室の外からうんこくさい、とひたすら連呼される事もある。
こうなったら小便をしないぞ！としたいところだが１日水分を取らないなんてキツイし、給食の牛乳を飲まないなどもってのほかなので不可能。さらに小便は１日１回では済まないので警戒レベルを常に保つのが難しい。
成功率の高さ、被害の甚大さも尋常じゃない。
どんなに警戒しようと最中は両手は塞がり後ろは振り向けない、さらに一歩も動けないので標的としてはチョロすぎる。
具体的な被害としてはまず小便を撒き散らしてしまうことだ。トイレ中に小水が飛び散る。
よってこれを掃除しなければならない、一人で。決して教師含めた他人に言うわけにはいかない。尊厳の問題だ。
だが学校のトイレは私立でない限り汚物の象徴のようなもので大変な苦痛を伴う。掃除をすれば女神が美形にしてくれるとかだったら話は別だがそんなことにはならない。アンモニア臭くなるだけだ。
さらに精神的被害も伴う。
小水がアレから出ているまさにそれを見られることだ。本来入院でもしない限り絶対に見られないであろう"放尿"を見られる苦痛と言ったら全裸に靴下の比ではない。
何より辛いのは同じやり返しができない。
こちらにはモラルというものがある。
いくら憎しみが膨れ上がったからと言って他人の小便で公共施設を汚すことなど常人に出来ようはずがない。モラルが崩壊している、もしくは進んで捨てる事のできるニンゲンの特権なのだ。もはや死神の所業である。
いつか痛い目見させてやるからな、高倉ァ！
