勝手に改造してはだめだぜ。

昔から背が低いです。記憶の限りでは背の順で3番目以降になった事がありません。

我が血族の歴史で言っても恐らく昔から背が低いです。

親戚集まっても180に行くような人間は一人もおりません。

もちろん全員短足です。

ですが、基本的に低身長を文字通り短所と捉えた事はありませんでした。　

最初に憧れた人間がマラドーナだったので背が低いことはむしろ長所。しかも左利きだったので誇りです。

ドッヂボールだって当たりづらいし、短足で切り返しが他の人間より効くので、すばしっこくて猿みたいな奴、というキャラを欲しいままに。

しばらくの間「チャイチー」はうちの学校では称賛に値する言葉でした。

しかし、高学年になってくると子供らは色気づいて来て恋バナなるものを始めます。

そこで誰かの噂話をしていた時に、突然よく喋る女子２人に言われたのが、わざとらしく憐れんだ目で

「もう少し背が高ければなぁ。」

これは大変に衝撃的でした。　

悪口を言われた、ショック、というより異文化に触れた感覚。男女混浴を初めて見たペリー、とまでは言いません。

まさか、チャイチーが悪口？今ディスられてんの？なんで？っていうかこいつら俺の背が高かったら惚れてんの？

てな感じです。

長所を他人の解釈で短所に改造されてしまいました。

これのせいか、その後少し、背が高い奴は顔が遠いから面がよく見えなくてなんとなくかっこよく見えるだけだろ、という偏見が醸成されました。かまいたちも小さいほうが好きです。昌也と真里でも真里です。

ただ、

例えもしこの件で俺が死ぬほど傷ついてたとしても、数多の女子にブスや豚やピン子等と言って勝手に短所の烙印を押しまくった人間には文句を言う資格はありません。

今までの罪を償う事は不可能なので、当人に謝って自分だけ気持ちよくなろうなどとはせず、一生、記憶にないくらい多くの人を傷つけたという罪悪感を抱えて死んでいきます。

人の見た目には口を出さない。

さぁ、水木一郎御大とご一緒に

勝手に改造してはだめだぜ。

勝手に改葬