かめはめ波を撃ちたい酒を飲みたい
齢6歳のある日、丸一日両手を向かい合わせて念を込めたのに気功波の欠片すら出なかった。悟飯の言った通りにやったのに。そんでビーデルはできたのに。
かめはめ波が撃てない事を悟った時は悔しかった。
たくさん宿題しようが速く走ろうがお手伝いしようがどうやったってできない。する資格がない。
亀仙人の弟子になることもできない。
せいぜいオレンジの胴着に身を包むかハゲにしておでこに6つお灸をすえるかぐらいだ。
行き場の無い悔しさ。
人生で悔しかった場面は多々あった。
受験で第一志望を落ちた時、部活最後の大会で負けた時、痔になった時…数え切れないほどある。
ただどれも挑んだ結果悔しかった話だ。
挑戦したものの準備やら力やら運が及ばなかったからそうなった。
勉強しなかった、走り込みがが足りなかった、トイレに長居しすぎた等々原因はある程度把握できる。
だから納得できる。
だけどかめはめ波は挑戦すらできない。 かめはめ波に限らず漫画に出てくる超次元的な力は全てそう。
(ちなみに一番好きな特殊能力は太陽の手、だって微妙に手が届きそうだから)
このもどかしい悔しさは一回切りだと思ってた。
新年早々同じ思いをした。
10年ぶりに。
酒だ。
うちの親戚は酒屋をやってたりして酒の話がしょっちゅう出る。
けど未成年者である俺には一切分からない。
本で読んだりして知識を得てみた所で実際に酒自体をこれっぽっちも飲めないから何も分からない。
知りたくても知れない。
くやっしい!
こんなに知りたいと求めてるのに!
もう少しで飲めるから更に悔しい。
さっぱり興味のない味噌の作り方や白蟻の生体だって学べるのに酒については学ぶ資格がないとはひどいでこざんす。
何千年も前から人類が魅了されてきた酒。
素晴らしい液体に決まってる。
もう少しの辛抱だけれども
あぁ早く二十歳になりたーーーい。
今日も小さくロマネコンティ、ドンペリニヨンと唱える。