貶しの多い生涯を送って来ました。
あらゆるものを貶して来ました。
面白い映画よりダメ映画の方が話のネタにしやすい、なんて言いますが正にそうで、誰かが好きって言ったものに対して反対意見を上げればそこに対立構造が生まれて会話が弾むのです。
アメトーークでも元MCがそういう手法で進行してました。
そう、最初はただの会話を弾ませるためだけの装置だったのです。むしろ善意ですらありました。
なのに気づけば口から出るものは全て何かを貶している。
そこらのJKみたいなエピソードを語る若手芸人を貶す、胸でいいねを稼ぐパパ活インスタグラマーを貶す、高速ダンスと言いながら身振り手振りのアイドルを貶す、口パクをする自称歌手を、その口で音楽の力を語るイケメンmade by 性犯罪者 を、それをもて囃すチョロ鴨人間を、中身のない良く言ってストレートな歌詞を、握手券でCDを買わせる悪徳48を、お遊戯会レベルの棒演技を、顔だけ集めた金策コスプレ映画を、息をするように嘘を吐く血統書付き政治家を、先生と呼ばれ威張る新卒金八育ち教師を、子供で稼ぐ離婚済みママタレを、萌え絵のみの豚専用アニメを、クイズ1択の限界ロートル地上波を、笑いを忘れた中堅ひな壇芸人を、誰かの不倫を語る前科持ち俳優を、オーバーにも程があるワイプ郁恵を。
(この羅列例文はあくまで例文ですからね、これっぽっちも本心ではないですからね、皆さんお仕事頑張ってるなぁと尊敬してますからね、ぜーんぜん違いますからね、郁恵ちゃんはずっと見てられますからね、、黙ってれば。)
そして気づくのです。
自分の好きなものを褒める称える薦める術が無いことに。
面白いすごいとか、深いとかエモいとかそんなやっすい手札しかありません。
どうにか頑張っても他の物と比較してそちらを貶して好きな方をたてる、なんて事しかできませんでした。気づいたら上みたいな事を口走ってる。
と悲しくなったのが2、3年前。
どうにか努力して多種多様なプラスの言葉でデッキを組めるよう励んでいます。
そのおかげか、上の貶し例を書くのに苦労しました。ええ、とっても苦労しました。全くこれっぽっちも出てきませんでした。本当に。マジで。
え?5分で書ける訳無いじゃないですか。そんなすぐに思いつきませんってなんせプラスな言葉だらけ使うデュエリストですからね。
10分ですよ。